ドームふじだより No. 1
−内陸旅行−


 われわれドームふじ越冬隊8名は昨年12月21日に「しらせ」よりヘリコプターで、大陸の出発点S16に降り立ち、物資のそり積みなどの準備をして12月30日に大型雪上車5台で出発しました。雪上車1台はそり7台を引っ張って走るので、時速は5〜6kmです。そりには約2トンの荷物かドラム缶12本を積んでいます。途中は天気にも恵まれ、1月19日に昭和基地からほぼ真南に1000km内陸のドームふじ観測拠点に到着しました。基地を立ち上げるために来ていた43次ドーム旅行隊と引継ぎを行い、1月24日より、われわれ8名だけの越冬生活が始まりました。


そり7台を引く雪上車

ドームふじだより No. 2
−ドームふじ基地−


 生中継で昭和基地をご覧になって「あれっ?想像と違う」と驚かれた方も多かったと聞いています。夏になると雪が解けて地面が見える昭和基地と違い、ドームふじはまさに白い大陸のど真ん中、360度見渡す限り雪、水平線(雪は水なので水平線だそうです)しか見えません。現在のドーム基地の気温は常に−30℃後半で、時々−40℃以下になります。夏の今はまだ一日中日が沈まず、空は晴れていることがほとんどなので毎日毎晩青空です。
 標高が3810mと、富士山よりも高い場所にあるので空気が薄く、少し動くと息が切れます。日本で検査をしてこの酸素濃度を示したらすぐに入院、酸素吸入となるでしょう。写真は43次隊が作ってくれた新しい入口です。みんなの立っているところが、35次隊で建設した基地の建物のほぼ屋根の高さです。つまり9年の間に建物はすべて完全に雪に埋もれてしまったわけです。この雪の下に、発電棟、食堂棟、居住棟、医療棟、観測棟、大気観測棟、掘削場などがあります。
 部屋の温度は22度くらい、湿度は加湿器を連続して働かせても20%台です。毎日30分くらい全員で水用の雪取り作業をします。回りじゅう雪ですがすべて凍っているので天然の水はありません。ある意味砂漠より乾燥しています。


後列向かって左から、亀田貴雄、高橋暁、大日方一夫、谷口健治、杉田興正、
前列向かって左から、藤田耕史、栗崎高士、中野啓

ドームふじだより No. 3
−小学生からのプレゼント−


 この旗は小生が出発前に講演をした新潟市立女池小学校の4年生がプレゼントしてれたものです。しらせ船上、S16の雪上車の前、そしてドームふじ観測拠点とわれわれと一緒に旅をしています。