ドームふじだより No. 13
−気象観測と定時交信−


 雪面上10mにある風向風速計の霜を落としている気象の杉田興正隊員です(写真1)。霜が付くと測定結果に誤差が出るので、定期的にこの作業をします。この日の気温は-45℃、安全帯を付けてはいますが、足元がすくみます。写真2は気温計を点検しているところです。ドームふじ観測拠点の最低気温は-79.7℃(第37、38次で記録)ですが、今年はどうでしょうか?杉田隊員は通信も担当しています(写真3はHFで昭和基地と定時交信をしているところ)。毎日HFで昭和基地と定時交信をしたり、日本国内との通信衛星経由での電話、FAXなどの管理もしています。


写真1 風速計の霜を落とす杉田隊員


写真2 気温計を点検中


写真3 定時交信中

ドームふじだより No. 14
−流星バースト通信とオーロラ観測準備−


 写真1は流星バースト通信の実験用アンテナを整備している宙空の中野啓隊員です。写真2は大気観測棟の屋根に取り付けられたオーロラ観測用のカメラを点検しているところです。-50℃近い気温の中での作業で、ひげに吐いた息が凍り付いています。昭和基地では先週オーロラの初観測をしましたが、ドームふじは昭和基地から約1000km南(緯度で約8度)なので、最近になってようやく夜中に太陽が沈むようになり、次第に暗さを増しつつあるところです。早くオーロラを見たい反面、長く続く寒い夜がやって来るのはもう少し先であって欲しい気もしています。


写真1 流星バースト通信のアンテナ整備


写真2 オーロラ観測用ガラスドームを設置

ドームふじだより No. 15
−一番星と夕焼け−


 3月3日の夜、1番星を見つけました(写真1左上)。南極に来てからはずっと太陽が出ていて夜がなかったので、およそ2か月半ぶりに見つけた1番星です。ドームふじでは2月18日から太陽が沈むようになりました。4月の下旬には一日中太陽が顔を出さない極夜が始まり、約4か月間続きます。今はどんどん夜の長さが長くなっていて、3月9日現在、日没は21時少し前です。日没の頃には写真2のようなきれいな夕焼けが見えます。3月6日にはドームふじでもオーロラが初視認されました。日没後も水平線(雪は水からできているので)上は明るいのですが、天頂部は暗さが増しており、うす緑色のオーロラがゆっくりと動くのが確認されました。もっと暗さが増せば、このドームふじだよりでも紹介できるようになると思います。


写真1 一番星


写真2 ドームふじの夕焼け(21時頃)