ドームふじだより No. 62
−流しそうめん−


 まもなく45次飛行機隊の出迎え旅行に3名が出発するので、8名での生活は残りわずかとなりました。そこで、何か記念に残る催しをしようと、流しそうめんをしました(写真1)。ゆでたそうめんをぬるま湯と一緒に流して食べました。もたもたしていると凍りついてしまいます。昭和基地では、周りにある氷山の上に溝を掘って流しそうめんをしますが、ここでは雪しかないので、竹をふたつに割って節を抜き(写真2)、建物の脇で坂になった雪面に設置して行いました。また忘れられない想い出がひとつ出来ました(写真3)。


写真1 流しそうめん


写真2 樋作成中(中野隊員)


写真3 流しそうめん記念写真

ドームふじだより No. 63
−ケーブル巻き取り−


 深層掘削用のドリルを吊り下げるケーブルの巻き取り作業を行いました。ケーブルの長さは3500m、写真1の手前のドラムに巻かれています。これを一番奥ににある昇降用のウィンチに巻き取る作業です。ドリルを吊り下げて荷重がかかった状態で使用するので、巻き取るときにも張力を掛ける必要があります。写真2はドラムの左右に付けたベルトの緊張を調整しているところで、写真3はブレーキ付きの滑車にケーブルを巻いているところです。このふたつの力を微妙に調整しつつ、写真4のウィンチに巻き付けます。調整も含めて約2日間で、無事に作業は終了しました。(写真提供:杉田隊員)


写真1 3500mのケーブル


写真2 ベルトによる張力調整


写真3 ブレーキ付き滑車へケーブルを巻き付ける


写真4 ドリル昇降用ウィンチへ

ドームふじだより No. 64
−出迎え旅行−


 45次飛行機隊の出迎え旅行の出発が迫ってきました。写真1は滑走路に立てる標識用の黒旗と吹き流しです。航空機を運用するドイツ側の要求が日本を出発する前とは異なったので、黒旗はビニール袋で作りました。吹き流しもあった方がよいというので、古いヤッケを利用して作りました。写真2は滑走路に立てる看板を作っているところです。強い風雪にも消えないように、板を焼いて文字を書くことにしました。写真3はそり積みをしているところです。今回の旅行は栗崎、中野隊員と私が雪上車2台でそりをそれぞれ5台と4台引いて11月24日に出発します。全く新しいルートを走り、430km離れた標高3000mの地点に航空拠点という滑走路を造り、12月1日に45次隊5名がロシアのノボラザレフスカヤ基地から飛行機でやってくることになっています(写真4:藤田隊員作成)。ドームふじに帰ってくるのは12月6日の予定です。長い南極観測隊の歴史の中で、船を使わずに南極入りする初めての計画です。詳細は旅行から戻り次第ご紹介します。では行って参ります。


写真1 吹き流し(左)と黒旗(右)


写真2 看板作成


写真3 ソリ積み


写真4 出迎え&飛行ルート